bunbunの記

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イワミアーツプロジェクト

 

11月9日(火)

 

午後、湯里まちづくりセンター(島根県大田市温泉津町)へ行く。

 

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代表の竹内くんと副代表の中山くんが展示会場の準備、そして東京から来たアーティストの本多くんとアシスタントの渡辺さんが展示作品の準備をしている。

 

竹内くん以外の3人とは初対面。

 

数日前に始まった会場準備は、ほぼ出来上がっている印象。

 

遮光のために黒いフィルムで窓ガラスを覆う作業をしながら副代表の中山くんと話す。

 

「あ、そう、劇団8ch(はっちゃんねる)の」

 

「はい」

 

大田市民会館の演劇、観たよ」

 

舞台の上の中山くんを1年前に見ていた。

 

午後6時過ぎ帰宅。

 

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11月10日(水)

 

昼前に会場へ行き、作業の続きに加わる。

 

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中山くんはおらず、地元からは代表の竹内くんだけ。

 

昼食時には、休憩室で東京からの2人と話をする。

 

午後4時頃、東京発の夜行列車でやって来た劇団「晴天」の3名が会場に到着。

 

イワミアーツプロジェクトの第1弾として、2年前に当地で行われたこの劇団の演劇を観ているので、この3名は自分にとって初めての人たちではない。

 

明日から本番。

 

夜7時頃まで手伝って、8時頃に帰宅する。

 

 

11月11日(木)

 

午前11時、体験型アート展開幕・・・

 

・・・だけど、自分は外出せず、家で諸々の用事。

 

 

11月12日(金)

 

午後6時30分、会場着。

 

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本番後のアート展会場を急ぎ足で見て、同じ建物内の小ホールへ向かう。

 

① 19:00-21:00(120分)【脚本ワークショップ】『 セリフを書いてみよう、書いたものを読まれてみよう 』

 

講師は、脚本家・演出家の大石くん。

 

今日あったことを2人の会話で書いてみよう、ということなので書いてみる。

 

大変だね。ここ、狭いのに交通量多いから

大変ですよ。でも夕べの方が

夜だから暗いしね

車の列できちゃって。苦情はあるし、警察は来るしで

6日の夜だったんだよね。たまたまあの日はずっと一緒にいてね

急でしたからね 「ここいいですよ、入ってください」

ごめんね、邪魔しちゃって

まだ車少ないからいいですよ

なんだかずっと残ってるんだよね

ですよね。どこで一緒だったんですか

お寺のお世話でね。なんだか知ってる人見ると話したくなるんだよね

ですよね。「あ、そこだめだめ」 すみません、じゃあ、また

 

午前中に行った近所の葬儀の、家の前の路上で交通整理をする知り合いと交わした会話を書いたのだけど、2人の俳優がそれを読むのを聴いてちょっと涙が出そうだった。

 

 

11月13日(土)

 

午後12時、会場着。

 

まずは、アート展の様子を見に行く。

 

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ここで、受付にいた実行委員の大畑くんを知る。

 

大畑くんは、市内で学習塾と音楽教室ボイストレーニング)をやっているとのこと。

 

ご両親の演奏は何度も聴いたことがあったけど、彼とは初対面。

 

それから、昨夜と同じ小ホールへ。

 

② 13:00-14:30(90分)【ダンスワークショップ】『 簡単なステップにチャレンジ!』

 

講師は、俳優、ダンサーの鈴木さん。

 

部屋には老若男女という感じで、それなりの人数が集まっている。

 

このダンスワークショップと翌日の体幹ワープショップには当初から参加するつもりでいた。

 

ほかの脚本、朗読、演技のワークショップについては、若い頃から関心があったのだけど、羞恥心などで自分にとっては少しハードルが高かった。

 

③ 15:00-17:00(120分)【朗読ワークショップ】『 日本の作家の言葉を朗読してみよう 』

 

講師は、俳優の白石さん。

 

まずは短い詩を、心づもりができた人から朗読する。

 

 『おならは えらい』(まど・みちお

 

そして、それがどんな状況での「おなら」に聞えたか、それぞれが感想を語る。

 

次に、もう少し長い詩を、順番に朗読する。

 

 『わたしが一番きれいだったとき』(茨木のり子

 

ひとつの詩から、いくつもの「わたしが」生まれる。

 

最後は、坂田寛夫の「過失は全く一方的に若者の側にあった・・・」という文章から始まる1ページほどの怖い物語を朗読する。

 

参加者が少ないので、誰もがどれも2回以上は朗読した。

 

こういうことは苦手なはずなのに、次第に積極的になる自分が面白かった。

 

 

11月14日(日)

 

イワミアーツプロジェクト最終日。

 

午前11時30分、会場着。

 

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いつものようにアート展の様子を観てから、隣接の体育館へ行く。

 

④ 13:00-15:00(120分)【演技ワークショップ】『 普段の言葉で演劇してみよう 』

 

一昨日に続いて講師は、脚本家・演出家の大石くん。

 

参加者は女性2人と自分を含めた男性3人。男性の中には副代表の中山くんもいる。

 

女性のうちの1人は、休憩時間に本人から聞いたのだけど、竹内くんの中学生時代の恩師で、このプロジェクトに関心を持って参加したとのこと。

 

A: おはよう

B: おはよう

A: どうした?

B: (10文字省略)

A: (9文字省略)

B: ・・・やめてよ~

A: やめてよ!

 

まずは、演者の組み合わせや、夫婦、恋人、親子とその関係を変えたりして、ごく短い台詞で演技体験をする。

 

それから、博物館の受付スタッフと来館者とのやりとりを、台本を見ながら演じる。

 

(前略)

A:どちらに向かわれますか? 

B:松江

A:松江ですね。松江へはこのダムの手前で曲がって、そこから二車線の道をひたすらまっすぐ進んでください。 

(後略)

 

これは、一昨日の脚本ワークショップで中山くんが職場での体験を元に書いた断片的なものを、大石くんが短い物語に脚色したもの。

 

プロの演出家(大石くん)の前で、何度も演技(もどき)をする。

 

⑤ 15:30-17:30(120分)【体幹ワークショップ】『 俳優の身体トレーニングで体幹を鍛えよう 』

 

講師は、実行委員会代表でありプロの俳優でもある竹内くん。

 

平均年齢は若干高めではあったが、ダンスワークショップと同じぐらいの参加者がいる。

 

ダンスワークショップが洋としたら、こちらは和といった内容。

 

休憩時間に、演技ワークショップにも参加していた青年と話をする。

 

彼もこのプロジェクトに関心を持って、大阪からやって来たという。

 

午後6時、プロジェクトの全日程終了。

 

実行委員会のメンバーではない自分が、少しでも手助けになればと会場準備に加わったことから始まったこの1週間だった。手伝いをしていなかったら、すべてのワークショップを体験することもなかっただろう。

 

人数がいるうちに1時間ほど片付けをするということだったが、自分は明日の片付けを手伝うことにして、会場を後にする。

 

午後7時過ぎ帰宅。

 

 

11月15日(月)

 

朝、竹内くんに電話をすると、昨夜のうちに片付けがほぼ終わったから手伝いは不要との返答。

 

ぽっかり空いた一日を普段の生活で埋める気にもならず、あれこれ考えた末に三瓶山に登ることにする。

 

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午後3時頃に下山して、思いつきで麓にある某公的施設に立ち寄る。

 

会場準備のときに、彼の勤め先は聞いていた。

 

「あの、松江に行きたいんだけど」

 

(中山くん、勤務中に失礼しました)

 

寄り道したことで、我が家への最短距離ではない別の道を戻ることになり、途中の分岐点ではさらに遠回りになる道に車を向ける。

 

午後4時頃、湯里まちづくりセンター着。

 

センターの事務室では、竹内くんとプロジェクトの会計担当者(私と同世代)の2人が事後の打ち合わせをしている。

 

本多くんもいると、竹内くんが言う。

 

アシスタントの渡辺さんは数日前、そして劇団の3人はこの日の朝には帰途に就いているし、地元の実行委員会のメンバーはそれぞれの勤めがあって、今日は2人で残った片付けをしたのだろう。

 

アート展の会場だった2階に上がると、片付いてがらんとした部屋の壁際で、アーティストの本多くんが座ってスマホを見ている。

 

午後6時頃、帰宅。

 

・・・

 

 

12月28日 

 

朝、パソコンを覗くと、あの日、片付いた後の展示会場で1人座っていた本多くんの、フェイスブックへの投稿が目に止まった。

 

” 体験型展示の実験作品集「不思議のプロトタイプ」が昨日発表されたADAA(アジアデジタルアートアワード2021)にて、なんと!「大賞・経済産業大臣賞」をいただきました ”

 

(リンク先の受賞者名に「Ponboks」とあるのは本多くんのこと)

 

 

12月31日

 

夜、年が変わる前に、今夜で配信終了となる演劇を観る。

 

これで昨日から続いて3度目の視聴。

 

曇天短編集Vol.3『 雨が止むのは知ってます』(劇団「晴天」

 

11月25日(木)~12月5日(日) 東京、上野ストアハウス

 

脚本/演出 大石 晟雄

 

出演 荒木 広輔、白石 花子、黒田 愛香、近藤 陽子、佐藤 沙紀、角田 悠、榎本 ゆう、鈴木 彩乃竹林 佑介

 

 

(この期間に出会ったのは、ほとんどが自分の子供と同世代の人たち。だから、男性はすべて「くん」で書きました)