大元舞(おおもとまい)は、島根県中央部の山間地の10数ヶ所の地域で行われています。
4年に1回、地域によっては7年に1回、神職による神事や神楽団による舞が夕方から翌朝まで夜通し行われます。
4年前の地元での大元舞は小学6年の息子と最後まで見ました。
その時には、次の大元舞の年には、息子も高校1年かと、はるか先のように思っていました。
その高1になった息子は、陸上大会参加のため今回の舞は見ることができませんでした。
(数日前から風邪で体調が悪く、結局陸上大会も休みました)
舞が始まったのは午後6時。
最後の神職による託舞(たくまい)が終わったのが今朝の4時過ぎ。
この託舞は、今でも場所によっては、実際に神がかりを行っているところがあります。
3年前には隣町で、2年前には岡山県新見市(こちらは比婆荒神神楽)で、息子と見に行った神楽では神がかりが行われました。
隣町で行われたのは、夜7時から翌朝9時まで続く、大きなものでした。
新見市で見たのは、13年に1回、民家を使って行われるものでした。
大元舞では夜の2時ごろに行われる、狐が出てくる舞があります。
子どものころに見た記憶があり、(4年に1回なので、4歳か8歳のときの記憶のはずです)その記憶のなかでは、狐の化け物が客席や舞殿を駆け回っていました。
そして、大人になって見たら、なんでこれを本物と思ったのかと思いました。
小さい子どもの私も2時ごろまで見ていたということなのでしょう。
満天の星空の下を、祖父に連れられて家に向かって歩いている記憶があるように思います。
その記憶は、狐の化け物を見た日のことだったのでしょうか。
今日の日付にかわったころのある演目の途中で、お囃子の一人が舞殿から私を手招きして呼びました。
なんだろうと思いながら近づくと、上がって締太鼓を叩けといいます。
私を呼んだその人が叩くのを見ながら叩きました。
初めての神楽の舞台でした。
思わぬ贈り物でした。
さっき、家で昼食をとりながら女房が言いました。
「某女性所長さんも、最後まで見て2時間しか寝ていないといいながら、さっきまで研修会で私たちと跳んだりはねたりしていたよ。この後は明日入る監査の準備をするんだと言っていたよ」
今朝9時からの消防訓練を休んで、昼前まで寝ていた私とは、心構えがちがうよな、と答えました。