夕食も終わり、女房と娘と私の3人が食卓に残る。
「天使の輪もなくなったでしょう」と、娘が女房に自分の頭のてっぺんを見せている。
「がんばってるからね。でも、私もないけどね」と、女房も娘に同じく自分の頭を見せる。
「天使の輪って、なんなんだ?」と、私が聞く。
「髪の毛に潤いがあれば、真上から見たら頭に天使の輪があるように白く光って見えるの」と、女房が答える。
「じゃあ、ワシは?」と、2人に自分の頭を向ける。
「全部白い!」と、2人。
娘は受験勉強の、女房はその人生の、それぞれの日々によって髪の毛の潤いを失い、そしてこの私は、髪の毛自体の色を失っているのでありました。
(年頃になっていく娘と、この中年オヤジが、数年ぶりに一緒に笑いあったようなひと時でした)