”冗談関係 : 文化人類学で、母方のおじと甥、祖父母と孫、特定の氏族の特定の成員間で、互いに揶揄(やゆ)や卑語を交わしたり、相手の物を盗んだりすることが許されている関係をいう語。”
十数年ぶりに訪ねた家は、店構えはなくなり一般の民家にかわっていた。
少し挨拶をと思って玄関に立ったが、おじが「まあ、上がれ」というので靴を脱ぐ。
おじと私の母の姉であるおばと話をする。
多くはおじとの話になる。
おじの子や孫のこと、私の子や親のこと、そして親戚の誰彼についての話になる。
ふと、昔、新聞かなにかで読んで印象に残っていた「冗談関係」を思い出したので、おじに「あなたと私とは冗談関係にあって・・・」と話すが上手く説明できない。
1時間近く話をした後に、その家から数件先の私の同級生の家に行く。
同級生に悔やみを言い、昨夕の様子を聞く。
すでに社会人となっている同級生の長女は泣きはらした目をしている。
彼女と、急死した彼女の祖父も「冗談関係」だったのだと思う。
往復の時間も入れて1時間と思っていたが、結局3時間の休暇となり、職場へ帰る。
夕方からクラブ。
小学生女子5人、少し遅れて、中学生男子1人、女子5人が参加する。
小学生は集まるなりバスケの試合を始める。
子どもたちの姿を見ていると、沈んでいた気持ちに喜びの感情のようなものが湧いてくる。
その感情のなかで、「ひとつも切らない」ということを考える。
どんな人の、どんな行為も、どんな言葉も、どんな感情も、ひとつとして切り捨てない。
そんなことを考える。