bunbunの記

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最底辺

 

傷つけられた職員の車を合計すると何台になったのだろうか?

 

早出の私を待つようにして玄関から外に出ていった後に見たのは、建物の側面に設けられた出入り口のガラスの向こうに大きな石を抱えて横切っていく姿。

 

そして無残な車。

 

投げ上げられた何足もの靴を何度屋根にとりに上がったことだろう。

 

一人での遅出の勤務を終えて、帰宅しようかと思っているときに聞こえてくる強化ガラスの割れる音。

 

ひっくり返される食卓の上の食事。

 

窓が叩かれ続けることによって打ち破られる指導員室でのひと時の休息。

 

やむを得ず施錠した部屋のなかでの泣き喚く声と、ドアを叩き続ける振動が鉄筋を伝って建物の全域に響き渡っていく、その音。

 

・・・・・。


自分の経験した最底辺の場所は、数年前のあの1年間であったのだろうか。

 

冒頭に書き連ねたのは、ある一人の子の行動のことではない。

 

何人もの子たちが、一般社会では考えられない(と思われている)ことを日常的に行う。

 

そして、それを日常として何人もの子たちが暮らしている。