bunbunの記

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山鳩

 

午前は、宅神祭。

 

毎年、この時期に我が家で行っている。

 

まずは、地元のお宮の神職を招いて、家の神様のお祭り。

 

そして、集落にあるお寺の住職を招いて、先祖供養。

 

10年ぐらい前までは、そのあとに昼食を用意していたが、当時の神職が亡くなってその奥さんがお勤めされるようになってからは、それはやめた。

 

先祖供養では、住職が我が家の過去帳をめくりながら、この家の先祖の名前を読み上げた。

 

これは、我が家の宅神祭においては、過去には行われなかったこと。

 

安政〇〇年〇〇月〇〇日~仏。法名釈〇〇〇〇。俗名〇〇~」と言う具合に、幾人もの先祖の命日と法名と俗名とが延々と読み上げられて、平成五年に逝った祖父でもってようやく終わる。

 

「読み上げられるのを聴きながら見上げると、たくさんの先祖が天井に集まってるような気がしたよ」と、あとから女房は言う。

 

あんなにたくさんの人が、この場所で生きて、そして死んでいったのかなどと思いながら家の外にでると、今この遠くの山々などを眺めているのは自分ではなく、その時々の先祖の目なのだと思ったりする。

午後は雪の降るなかを所用で外出。

 

母屋と納屋の間の、その二つの建物を2階の部分でつなぐ廊下と部屋とが屋根になって、吹き抜けの車庫のようになっている場所に停めてある車に向かうと、母屋側の犬走りの上を、2羽の山鳩がゆっくりと歩きながら私のいるところから遠ざかっていく。

 

車に乗ってエンジンをかけて、車が温まるのを待っていると、その2羽がまたゆっくりと、今度はこちらの方に近づいてくる。

 

家の前側から頭を突っ込むようにして停めていた車の運転席から見ると、その斜め前方の右側すぐが母屋の勝手口で、その勝手口の扉の横に野菜の皮などを一時的に置くための籠があり、その籠のなかに2羽で入って、餌になるものを探している。

 

私はしばらくその2羽の様子を眺めて、そして静かに車を後進させた。