昨日今日と、遠方からの来客がありました。
場所はイギリス。
日本からは何千キロ離れているのでしょうか。
我が家に2人が訪れたのはおよそ20年ぶりの3回目です。
昨日の昼過ぎに、車で1時間のところにある島根県大田市の駅に2人を迎えに行き、まずは数年前に世界遺産になった石見銀山を3人で散策しました。
それから我が家に戻って、私の父母と私たち夫婦と客人夫婦の6人で夕食をとりながら、いろいろと話をしました。
イギリスの青年が世界中を旅しながら極東の日本に辿り着いたのは今から40数年前のこと。
そして、ふとした縁でその青年が知り合うことになったのが、私のいとこだったのです。
今日はその2人を大田市の西隣にある江津市へと送って行きました。
2人は昨日と同じ特急で次の目的地である山口県へと向かうのです。
駅での別れは、また格別にしみじみとした気分になるものです。
2人を見送ってから1人で車を運転しながら、昨日見たある光景を思い出していました。
車を駅の前の駐車スペースにとめて駅舎に入ろうとするときに、その駅舎の外のベンチに腰掛けた男性の首に若い女性が両腕を巻きつけるようにしている様子が目に入りました。
そのときは、最近の若い者は公衆の面前で、ぐらいにしか思わなかったんです。
やがて特急列車が到着して、改札口で出迎えた客人と一緒に駅舎を出ようとしている私の横を、さっきの若い女性が顔を涙でぐしゃぐしゃにして駅舎の外に向かって足早に通り過ぎて行ったのです。
おそらく遠くへ旅立つ彼との別れだったのでしょう。
昨日、その光景を目にしたときには感じなかったその彼女の気持ちが、今日の帰路につく車の中では、妙に共感できるようだったのです。