道路に面した建物の右端の出入り口から中に入ると、建物の前面と右側面の壁に沿う細長い土間と(Lの横棒を反対にした形)、その土間の両方向に並ぶ前後2列のパイプ椅子が見えた。
土間の先には一段高くなった板張りの床があって、その板張りの床と並べられたパイプ椅子との狭い間を通って奥へと進み、突き当たりの壁から5~6席手前の椅子に座る。
すぐ目の前の床の上には横一列に並んだ座布団があり、その先には椅子に腰掛けて使うタイプの長机とその上に雑然と置かれたいくつもの小物が見える。
私から見て左手の、入り口に近い床の上には座布団が横3列に並べられていて、その前にはもうひとつの長机が置かれている。(その上にもいくつもの小物)
そのふたつの長机と、この建物の二方向の内壁(扉もある)とに囲まれた四角形の狭い場所が舞台であることを確かに知るのは、劇が始まってからのことだった。
開場時間になって建物に入ったときからずっと、一人の男性が板張りの床の上に立って「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」「お手洗いは建物を出て右の〇〇会館にありますので、そちらをご利用ください」などと繰り返している。
次第にパイプ椅子に続いて座布団の席も観客で埋まり、それまで床の上で案内を繰り返していた男性が話し始める。
「私は、劇団晴天を主宰し、今回の演劇の脚本・演出を担当している大石晟雄と申します・・・ある演劇公演の楽屋が舞台となります・・・それぞれの机の前には大きな鏡があると思ってください」
1月26日(日)夕方
演劇を観に行く。
場所は島根県大田市温泉津町(ゆのつちょう)の温泉街にあるゲストハウス。
数日前に、地方紙の朝刊の記事で公演を知った。
(今回はここまで。この先のことをまた書く日が来るかもしれません。とりあえず記録として残しておきます)
劇団晴天 『共演者』
2020.1.26(日) 13:00~、18:00~
出演
近藤陽子、佐藤沙紀、白石花子、鈴木彩乃、函波窓、田中考宗、角田悠、荒木広輔
脚本・演出 大石晟雄
音響 北島とわ
舞台監督・照明 野津博康
制作 尾形麻悠子
編集 白石花子
稽古場助手 谷川清夏
宣伝写真 保坂萌
主催 IWAMI ARTS PROJECT 実行委員会