bunbunの記

カテゴリー クラブB&J、活動の様態、私的な事々、非日常的な、奇妙な偶然、その他

よい保護者のみなさんはまねをしないでください

 

 

ただいま、出雲地方への片道2時間の出張から帰ってきました。出雲地方へ向かうのに中国山地を横断するその移動の途中で、中国地方第一の河川である江の川(私の生まれ育った土地では江川(ごーがわ)と呼びます)を渡るところ。そこにあの荷越瀬があります。

 

息子が小学5年になったころから、父としての私の生き直しが始まりました。そのころから、成長して行く息子と、その息子と同じ歳である当時の自分がダブって見えてきたのです。

 

誘われて息子が所属しているバスケクラブのお手伝いに行き始めたのもそのころ。私が低学年を指導しているその隣のコートでは息子が練習をしていました。

 

息子が5年生になったころから小学校を卒業するころまでは、一緒にいろいろなことをしました。スキー、プールでの水泳、海水浴、登山、川遊び、スケートなど。今にして思えばのぼせていた(夢中になっていた)のは私の方でした。

 

カヌーを初めて体験したのも息子の5年生の夏が過ぎようとするころでした。江の川中流域にカヌーが体験できる施設があり、静止面(施設のすぐ下の流れの少ないところ)で指導をうけ、数週間後にはインストラクターと一緒に初心者向けである下流の半日コースを体験しました。

 

その次に向かうのは体験者向けである上流の一日コース。

 

台風が通り過ぎた数日後のその日、カヌーの施設から数十分上流に向かったところで車から降り、そこで一人用カヌーに乗り込んだのは、私と息子、そして経験がありそうな男性3人とインストラクター。もう一人のインストラクターは昼食の食材などの荷物を乗せたボートのようなカヌーに乗っていました。

 

川原での昼食までは順調な川下りでした。

 

昼食後、再開してすぐに転覆しました。初めての体験を喜びました。ひとりでに体がカヌーから抜け出ました。

 

しばらく行くとうねりの強いところに入りそこでも転覆しました。最初の転覆はバランスの崩れだったのか、突然起こりましたが、今度のは転覆を意識しました。そして体が冷えたと感じました。離れたところで息子が転覆から助けてもらいながらカヌーに乗りなおしているのが見えました。

 

それから少し進んだところの流れのない場所で一人用カヌーに乗っているインストラクターがみんなを集め、「これから最後の瀬を越します。3人と私は(小さな中州に分かれて流れる瀬の)右の方へ行きます。あなたと息子さんは左へ進んでください。(ボートのようなカヌーの)後について行けば大丈夫です。」と言いました。

 

ボートのようなカヌー、私、息子の順に瀬に入って行きました。

 

無理だと思いました。振り向くと転覆してカヌーから抜け出した息子が岩にしがみついていて、次の瞬間には自分のカヌーと、それにつかまっている自分とが、Tの形になって流されていました。顔は水面下のまま、川底に足先を何度もぶつけながら、カヌーを放せば良いことに思いが至り、泳いで岸の岩場へと上がったものの、冷えと動揺とで前に進むことができません。息子を助けに行くことができないと思っているところに、息子がやって来ました。

 

インストラクターの二人はそれぞれ漕ぎながら瀬を上がってきて(荷越瀬を!)、一人は息子と私のカヌーを回収し、一人は我々二人を乗せて対岸の終着地点へと向かいました。