昨夜「意中の建築」という上下2巻の本を読み終えました。
中村好文という建築家が内外の様々な建物を写真とともに紹介するという内容で、特に建築物に関心があるわけでもない私にとっても、毎晩少しずつ読み進んでいくことにささやかな喜びを感じる本でした。
「名作の足元を見る」 「本の精霊に捧げられた神殿」 「石塀に会いに行く」 「村の住み心地」 「住まいの変奏曲」 「巨匠を覗き込む」 「風景の中の葬礼」 「森に立てられた十字架」・・・
・・・各章のタイトルだけでも魅力的です。
この本のなかの、なぜなのかよくは分からないけど、気になっている文章を記しておきます。
「建築模型は現物のミニチュアではなく、素材においても手法においても、適切に抽象化されていることが何より大切です。その抽象化によって、実際の建築空間への想像力が働くのです。同じ模型でも、イメージが固定的で趣味的な世界に小さく閉じこもってしまうものと、建築物としての現実感をもって立ち現れてくるものとでは決定的な差がある、ということでしょうか。」