ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
子どものころはなんてつまらない詩だろうかと思っていました(今はどうでしょう)。
しばらく物語以外の本を読んでいると、やけに物語が読みたくなります。
天下第一の弓の名人になろうとした紀昌は飛衛の弟子になりました。
「まず瞬きをしないことを学べ」
師の命のままに修練を重ねた結果、紀昌は師の求めるところに至りました。
「彼の瞼は最早それを閉じるべき筋肉の使用法を忘れ果て、夜、熟睡している時でも、紀昌の目はクワッと大きく見開かれた儘である。竟に、彼の睫毛と睫毛との間に小さな一匹の蜘蛛が巣をかけるに及んで・・・」
いきなり、なんと荒唐無稽な、滅茶苦茶な話しなのでしょうか。
しかし、師、飛衛はさらなる難題を弟子の紀昌に命じていきます。
さらに続くそのさらに滅茶苦茶な課題にも紀昌は果敢に挑み、それを求められるままに達成し、やがてはその師さえも超えていくことになった紀昌が晩年に到達した境地とは次のようなものでした。
「あゝ、夫子が、・・・古今無双の射の名人たる夫子が、弓を忘れ果てられたとや?あゝ、弓といふ名も、その使い途も!」(注:ここでの夫子とは紀昌のこと)
(この続きは、また後日。書けるかどうかは分かりませんが・・・)