bunbunの記

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連なりの場にあるもの

 

レヴィストロースのいう「構造」は、同じく要素と要素間の関係からなる体系(システム)とも違っている。体系は変換が可能ではなく、体系に手が加わるとばらばらになってしまうけれども、構造は、要素と要素間の関係が変化していっても、なお変わらないなにかを指している。変換によって現れた新たな体系と元の体系とのあいだの関係が構造だといってもいい。つまり、構造は、変化を通じてはじめて現れる。

 

このような構造という見方からすれば、人間の創造力は「連なりの場」にあるものとしてとらえられる。「連なり」から切り離された個人の能動性に重きを置く西洋近代の価値観とは違って、それは、他人から与えられたものに、その他人の意図とは別の新たな様相を与えていくような創造性である。

 

今日の朝刊のレヴィストロースの追悼文(成城大教授・小田亮)より抜粋しました。