bunbunの記

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断片

 

この道を連れられて行ったんだろうな・・・

 

妻と車で浜田市世界こども美術館へ行く。

 

目的は絵本画家、太田大八氏の講演会と特別展「太田大八と絵本の仲間たち」。

 

この美術館に隣接する土地の、市街地側にはあの事件の女子大生が暮らしていた寮があり、山側にはその女子大生が通っていた大学がある。

 

美術館の2階にある多目的ホールへ行く。

 

ステージの上の長机には「〇〇出版編集長〇〇〇〇氏」と「絵本画家太田大八先生」と書かれた2枚の紙が下っている。

 

講演会開始時間の午後1時、編集長という人がステージに上がり、話を始める。

 

それから1時間が経過したころに一人の老人が現れる。

 

太田大八91歳。

 

その老人は編集長の隣の席に座り、ようやく当初予定されていた形の講演会が始まる。

 

そして終わる。

 

この間、約20分。

 

老人は、編集長の質問に少し答えるだけで、後は座ったまま。

 

講演会が終わり、特別展を観る。

 

太田大八詩人谷川俊太郎の共作の詩画集「詩人の墓」の原画も展示されている。

 

太田大八88歳、谷川俊太郎75歳、頃の作品。

 

「何か言って詩じゃないことをなんでもいいから私に言って」(*)。

 

人間のもつ多様さとして「それ」をなくすることはできない。

 

できるとしたら「それ」を変質させることだけだ。

 

あるものをないものとすることはできない。