5年か、あるいはもう少し前に、田植機をばらばらに分解したことがあります。
集落で共同で使う乗用の田植機を買ったので、何年も使わずにしまったままになっていたものです。
ばらせるところはすべてばらしてから、今度はそのばらばらになった部品の小さなものを選んでは組み立て始めました。
部品と部品を同じく田植機の一部であったボルトとナットでとめていきました。
数個の部品を組んでいくとなにかの胴体のようになりました。
胴体の上に頭になるような部品を選んでは組んでいきました。
胴体の側面と下には手と脚をつけて、顔の部分には目や鼻や口になるような部品を選びました。
最初からそのものをイメージしてつくったのではありません。
いくつかの部品を手にとって、組み立てているうちに姿が現れてきたのです。
現れはじめるとあとは簡単です。
部品も、最初から顔や手や足やしっぽにするために作られたのではないかと思うぐらい、ぴったりとそれぞれの場所に収まっていきます。
自分の目の前で、なにかが形になっていくのを見るのが好きです。
それも自分の思ったとおりのものでなく、思わぬものになっていくのがうれしいのです。
今でも玄関の外には、高さ40cmぐらいの足を投げ出して座っている、まんがちっくな牛のようなものが置いてあります。