村上ポンタ秀一 (ドラム)、 山下洋輔 (ピアノ)、 坂井紅介 (ベース)
午後から休暇をとって今回もまたライブの手伝いに行く。
私がライブの手伝いをするのは、まずはリハーサルを見ることができるからなのである。
他のジャンルのリハーサルは知らないが、ジャズのリハーサルはどの演奏家であっても(今回で4回目の見学)「どうする、あれやろうか、ダダダダージャーン、こんなもんかな、あとは本番で」という具合に実にあっさりしていて、実に生ものあつかってます的に美しいのである。
今日のリハーサルでは、数曲ほどトリオで合わせた後に、山下洋輔さんは時間になるまで一人でピアノを弾き続けていた。
そんなミュージシャンの姿を見ることが、私がライブの手伝いをする理由のひとつなのである。
そしてまた、別の理由もある。
開場時間になってから、受付でチケットのもぎりを手伝っていたら、懐かしい顔が目の前に現れた。
Sさんとは、およそ20年ぶりの再会だった。
それでも、やっぱりねとも思う。(お互いそんな感じだったと思う)
車で45分のところにあるSさんの家に、私は独身のころ何度もお邪魔しては、いろんな話をさせていただいた。
今から19年ほど前、女房とまだ1歳にならぬ娘と、ある若者との4人で行ったのが最後の訪問だったのだと思う。
その若者というのは、英国人と結婚した私のいとこの子で、当時大学生だった彼は英国から日本にやって来ていて我が家に10日間ばかり滞在していたのだが、その日、その彼を海水浴に連れて行く途中にSさんの家に立ち寄ったのだった。
この春、私は10年間の派遣を終えて役場に戻った。
役場に戻るとそうそうに、役場のある後輩が運転する車にたまたま同乗することになり、その後輩と話をしているうちに、その後輩はあることでSさんと時々会うと言うことが偶然にわかり、今度会ったらよろしく伝えて欲しいと話したところ、それから2ケ月ほどたった、今から1週間ほど前にその後輩は、ようやくSさんに会ったのでその旨話しておいたからと私に言った。
そして今夜のSさんとの思わぬ再会。
そのSさんに聞いた。
「突然だけど、(Sさんの家から遠くはないところにある)〇〇保育園のAさんって知ってます?」
「知ってるよ。(保育園とは別のことでの)同業者だしね。子どものことについて熱心な人だよ」
そのAさんとは、6月6日の私のブログに書いた、まだ会ったことはないけど、ツイッターやフェイスブックで知り合ったばかりの人。
話が込み入ってきた。(いつもだけど)
あの20年近くの昔に我が家に滞在した、いとこの子は、英国の大学で物理学を専攻していたらしい。
英国の飲み屋であるパブというものは、実に素晴らしいものらしい。(いまでも彼が語って、私が勝手に想像するパブの光景が浮かんでくるようだ)
英国人は彼を含めて、みんな変人ばかりらしい。(そのことについての具体的なことを彼は話したような気がする)
英語のわからぬ私と、日本語のわからぬ彼であったが、なぜかお互いにいろんなことを知ることができた。(みたい)
物理学専攻の彼は、ある日、電車に乗ろうとしたその瞬間にアインシュタインの相対性理論を理解したと言う。(そう言ったのだと思う)
相対性理論とは「E=mc²」で表すことができるらしい。(彼は、日本海に面する砂浜にその数式を大きく書き、それに対抗して私は英語で××××と書いたのである)
そんな相対性理論について熱く語る(ような)彼に、私はユングのシンクロニシティ(これを簡単にいうと、世の中の出来事は偶然みたいだけど実は必然みたいにも思えるのよねということ)について語ったのであった。