土曜日に、雲南市へ高校演劇を観に行った。
行ったのは、毎年この時期に行われる「高校演劇フェスティバル」。
このフェスティバルは、これで3回目。
そして、今回は女房も行く。
フェスティバルの一つ目に観たのは、松江工業高校の「贋作マクベス」。
冒頭からテレビに出ている俳優の物真似で、「なんじゃこれ」と思ったけど、とてもそれだけでは収まらなかった。
涙を流しながら観た。
可笑しいのだ。
でも、可笑しいだけでは収まらない。
「まるで手をぬらさずに魚を食べたいと言っている猫みたいじゃないか」
お芝居の中のそのセリフに恐れ入ったと、女房は言う。
二つ目は、三刀屋高校の「田中さんの・・・」。
舞台に置かれた教室の、(4×4)16脚の丸椅子に、腰掛けるのは15人の生徒達。
そこにはいない田中さん。
生徒たちは腰掛けたままで会話して、ときには立ち上がって動くけど、それでもそれは並んだ椅子のなかでだけ。
そして教師はそこにはいない。
2つの芝居の後で、ワークショップを見学する。
生徒たちが雑踏をつくりだす。
雑踏のなかの1人が立ち止まる。
(何かに反応するようにしてみんなが立ち止まる)
やがて1人が歩き始める。
(何かに反応するようにしてみんなが歩き始める)
何かが動き、何かが反応する・・・
2週間ぐらい前に、演出家、平田オリザの初めての小説である「幕が上がる」を読んだ。
それは関東のある高校演劇部のお話。
その小説のラストでは、高校を卒業して、それぞれの道に進んでいった元演劇部員の3人が、夜行列車に乗って島根へと向かう。
彼女達は19歳。
幕は上がる。
昨日、娘が21歳になった。