bunbunの記

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ずっと印象的だったこと

 

下宿から大学へ向かう道の途中にその家はありました。

 

ずっと記憶の中に、印象的に残っていた家でした。

 

今から15年前のこと、大学を卒業してから15年ぶりにその道を歩いて、初めて知りました。

 

広くはない敷地の樹木に囲まれたその家の入り口には、「向井潤吉アトリエ館(世田谷美術館分館)」という表示がありました。

 

それは(故人となった)画家の家だったのです。

 

そして、それから15年後の先日のことです。

 

我が家から車で1時間のところにある、世界遺産石見銀山を案内するために、その近くの大田市のホテルに行きました。

 

案内の相手は自分の親ほどの年齢の、東京在住の女性です。

 

その女性は、去年の私の地元への民俗学などを調査研究するグループの一員だった人で、その調査団のお世話をしていた私に、初対面のその人は今度は石見銀山に行ってみたいと言うので、その時には案内しましょうと話していたのでした。

 

そして、それから9ヶ月後には、その約束どおりに石見銀山を一緒に散策することになったのです。

 

さて、これを書いているのは、次のことをここに残しておこうと思ってのことなのです。

 

ホテルのロビーに迎えに行き、再会の挨拶もほどほどに、いろいろ話をしながら駐車場の私の車に向かっているときにその人は言いました。

 

「昨日までの(隣県、鳥取県での)学会で一緒だった人が画家でもあって・・・。その人は向井潤吉さんという画家のお弟子さんだったのよ」

 

「向井潤吉さん、知ってます。大学のときにいつも気になってた家があって、それが向井さんの家だったんです。アトリエ館になってたんで、入ったことがありますよ」