bunbunの記

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取り残された2人

 

すでにあの日から一ヶ月以上が過ぎたのだけど、ある日、広島市へ夫婦で映画を観に行った。

 

それは別にたいした話ではないのだけど、今でも印象に残っていることなのでここに書いておく。

 

映画は「ニューヨーク公共図書館」という3時間超の長いものだったのだけど(長いけどずっと集中して観た)、これから書く話とそれとは関係がない。

 

その朝、私たち二人は家から車で1時間弱のところにある高速道路のインターチェンジの停留所にいた。乗ってきた自分の車はインターチェンジの料金所に隣接する無料の駐車場に止めた。広島市内まではここから高速道路でさらに40分ほど掛かる。

 

私たちの前には7~8人、そして後ろには男性と女性の(お互い連れではない様子の)2人が列をつくって広島市行きの高速バスを待っていた。

 

バスは5分程度遅れて到着した。

 

その日は平日であって、出勤、登校時間からはいくらか過ぎていたのだけど、乗客が多い様子がバスの窓に見える。

 

先に来ていた人たちがバスに乗り始める。

 

私たちの順番が来たところで運転手が言う。

 

「すみません、(乗れるのは)あと1人だけです」

 

1人しか乗れないのでは仕方がないので、後ろの男性に譲る。

 

男性が乗り込んだ後に、続いて運転手が言う。

 

「すみません、もう1人乗れました」

 

これもまた仕方がないので、後ろの女性に譲る。

 

「大変申し訳ありません。では、出発します」

 

あとに残ったのは、私たち夫婦だけ。

 

次のバスまでは30分以上は待たなくてはならず、仕方なく(高速道路を走るのも、市内で駐車場を探すのも面倒なのでバスで行こうとしていた)、自分の車で高速道路を走って広島市へ向かった。