7月2日(木) UくんとSくんの、大人2人
期末試験最終日を翌日に控えた高校生が誰も来ないのは当然として、大人のUくんとSくんはクラブに来た。
ここからは昔の話になるのだけど、UくんとSくんはともに小・中学生時代は野球をしていた。
この田舎町では小学生のスポーツクラブから中学・高校の部活動まで男の子が続けてできるスポーツは、野球とバスケットボールしかない。(卓球もあるけど団体競技としてはこの2つ)
どちらかといえば13年間を通じて主にバスケが行われてきた自由参加・自由行動のこのクラブ(クラブB&Jという)なのだけど、その間に2度ほど野球の練習と重なったりしたことがあった。
1度目は10年ほど昔のこと。同じ木曜が練習の日であったスポーツ少年団(小学生)の野球チームが冬期の室内練習のために体育館の半分を使わせてもらえないだろうかと言うので、ひと冬かふた冬ほど体育館に常設されている大きなネットで仕切って同じ時間を共有することがあった。
そのときには、練習なのか遊びなのか訳のわからない私たちのクラブの隣で秩序だった野球の練習が行われたのだけど、年齢から計算するとその向こう側には低学年のUくんやSくんたちがいたのかもしれない。
(2009.2.19 クラブの女の子たちが野球の練習を見学したり友達の靴のひもを結んであげたりしている)
2度目はそれから数年後のこと。クラブが終わるのと入れ替わりに中学校野球部員の自主練習が行われていた時期があった。それは野球経験のある2人の保護者が指導をするもので、野球部員たちはいつも少し早めに来ては練習が始まるまでのわずかな時間に体育館の半分でバスケのゲームに興じていたのだが、このときには中学生になったUくんやSくんたちも確かにその中にいた。
(向こう側がクラブの参加者たちで、こちら側が野球部の中学生たち)
小学生のバスケクラブの練習は水曜と金曜にあって、木曜の私たちのクラブとは重ならなかったのだけど、野球のチームの練習は木曜にもあったし、中学生になればどの部も毎日のように練習があるので、野球をやっている子たちが私たちのクラブに来ることはまずはなかったのだけど(今日は練習がないからと来る子もまれにはいたし、部活を引退した後の中3は来ていた)、そんなこともあったので野球をやっている子たちにもクラブのことは十分に認知されていたのではある。
そして、UくんやSくんの学年も、前年までの学年と同じように、部活動を引退した中学3年の秋の頃から何人もで私たちのクラブに来るようになった。
7月4日(土)
夕方、体育館に行ってバスケのゲームをする。
週末に行われているこの小学生から大人までの世代によるバスケの集まりも、私は私たちのクラブと同じほどの年月の付き合いになっている。
自宅でのオンライン授業受講中のUくんも来ていて、少し話をする。
「すごいね。うまくなったよね。高校はバスケやってたんだろ」
地元校でなく、町外の高校に通っていたUくんは答える。
「でも、部でなくて同好会だったけど」
「中学のときはバスケやってなかったのにね」
「でも、野球やってました」
「だよね。野球部だったもんね」
「クラブB&Jに通ってたらこうなりました」
笑いながらそう言うUくんに私も笑いながら返す。
「そりゃ、光栄です」
それから遅れて、仕事を終えたSくん(彼は高校時代も野球部だった)が体育館にやって来て、バスケのゲームに参加した。