40分ばかりの道のりを軽トラでやって来て、こんにちは、とよく通る声で我が家に立ち寄るいつもの光景が途絶えてから7年の歳月が流れた。
前田新維(まえだ よしただ) 1947(?)-2014.1 島根県江津市
我が家の親戚でもある隣の家に、いつの頃からか叔父・叔母の面倒や稲作の仕事にと前田は足繁く通うようになった。
それからの10数年の間に、本人から話を聞くこともあって現役の優秀な水泳選手であることを知ってはいたが、その実際を具体的に目にしたのは、急逝の後にネットで検索したいくつかの大会記録や知人によるブログ、そして地方紙に掲載された追悼の記事だった。
先日、ふと前田のことを思い、久しぶりにその名前でネットを検索した。
改めて思ったのは享年67歳ということ。
あのとき52歳だった自分も60歳になり、遠く感じられた前田の年齢も近いものになった。
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2012.10 かわらばん広報ごうつ koho_10.indd (gotsu.lg.jp) より
競技としての水泳を始めたのは中学生から。専門的なコーチもいない中、プールでよくやったのが鬼ごっこ。
高校では似たような環境の中で実力を伸ばし、インターハイ出場を果たす。
卒業後は大分県の実業団に入り、オリンピック出場経験もあるコーチの元で1日の半分を練習に費やす日々を過ごすが、高校時代の自己記録を更新することはなかった。
「結局、水泳をやらされている状態で、自ら目標を持って泳ぐことができていなかったのだと思う」
大分での3年間を終えて帰郷し、高校時代と同様の指導者のいない状況になるが、すぐに100mで自己記録更新。
「このタイムで泳ごうと目標を持って練習に打ち込んだ。自発的な練習こそが、記録向上に必要だった」
(抜粋終わり)
生前、前田に近しかった人はブログにこう書いている。
sutekion cafe (コメント欄にブログの主と自分とのやりとりあり)
国体3度の優勝。
マスターズ日本新記録をいくつも樹立。
世界大会の準優勝。
この山陰の片田舎で自ら考案したメソッドで練習に取り組み、国体でオリンピックの銀メダリストと伝説的なバトルを繰り広げる。
年齢とともに体力が衰えていくはずなのに、毎年のようにタイムを更新していくことに誰もが驚愕!
(抜粋終わり)
最後にネットから、過去の記録を拾ってみる。
○ 第32回高知マスターズ水泳大会(2017)開催要項、より
2016.9.25現在大会記録 00240_01_170412094459.pdf (masters-swim.or.jp)
・55~59歳の部
100m平泳ぎ 前田新維 1:20.07 (第18回大会) (2003?)
25m平泳ぎ 前田新維 15:66 (第19回大会) (2004?)
50m平泳ぎ 前田新維 35:33 (第19回大会) (2004?)
・60~64歳の部
25m平泳ぎ 前田新維 15:98 (第23回大会) (2008?)
200m平泳ぎ 前田新維 3:02.76 (第24回大会) (2009?)
○ ブログ「水泳バカ一代 ロンドンへの道」(2008.5.16)、より
62歳前田さん日本新記録!: 水泳バカ一代 ロンドンへの道 (seesaa.net)
・日本マスターズ水泳短水路大会(2008.5.11 福岡市)
60~64歳 100m平泳ぎ 1:18.51 短水路日本新記録
(同クラスの同種目で3年連続の日本新樹立)
○ 2012.10 かわらばん広報ごうつ 、より
・国体通算25回出場(30歳以上の部で3度優勝)
・60歳以上の100m平泳ぎ日本記録更新
(ネットで見つけたので借用しました)